〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。
-2-
それからは、いろいろな場所で、彼……重成 匡一とは会うようになった。
彼は、一度自分の正体を明かしたことで、もう私とは顔見知りになったつもりででもいるみたいだった。
「……斉木さん?」
背後から急に声をかけられて、ドキリとする。
「え…ああ、はい?」
振り返って、立ち止まる。
「これから、ランチなんだ?」
「……そうです」
と、その顔を見上げる。
その笑う顔は、警戒心を一瞬で取り去るような格好良さで、見惚れそうにもなる。
額に落ちる前髪を片手で掬い上げる仕草に、ふと目が惹きつけられる。
……この人って、すごくかっこいいんだけど、なんでそんな人が私をかまってくるんだろう……。