〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。
-2-

それからは、いろいろな場所で、彼……重成 匡一とは会うようになった。

彼は、一度自分の正体を明かしたことで、もう私とは顔見知りになったつもりででもいるみたいだった。

「……斉木さん?」

背後から急に声をかけられて、ドキリとする。

「え…ああ、はい?」

振り返って、立ち止まる。

「これから、ランチなんだ?」

「……そうです」

と、その顔を見上げる。

その笑う顔は、警戒心を一瞬で取り去るような格好良さで、見惚れそうにもなる。

額に落ちる前髪を片手で掬い上げる仕草に、ふと目が惹きつけられる。

……この人って、すごくかっこいいんだけど、なんでそんな人が私をかまってくるんだろう……。



< 6 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop