おはよう、きみが好きです
「うち、来てくれたんだ……なのにっ、本当にっ……ごめ……っ」
ポロポロ、涙が出てきて止まらない。
やっぱりあたしは、八雲の普通の彼女になってあげられないんだ。
怒ってもいいはずなのに、八雲から届いているメールはどれも、あたしを心配してるものばかり。
優しすぎて、今はその優しさが……辛いよっ。
「八雲に謝らなきゃ……」
あたしは携帯で、着信履歴から八雲の名前を選ぶ。
なんて言い訳すればいいんだろう。
ボタンに指をかけたのはいいけど……なかなか押せなかった。
「……ごめんね、昨日楽しみすぎて寝過ごしちゃって……た、体調がやっぱり悪くてっ……」
考える言い訳はどれも薄っぺらい。
あたしは、いつもごまかしてばかり。
「嘘ばっかだ……あたし……」
まっすぐにぶつかってきてくれる八雲。
なのにあたしは、どうしてまっすぐに、ありのままを見せられないの?
ううん、理由なんて本当は分かってる。
怖いからだ……八雲に嫌われるのが。