おはよう、きみが好きです


「でも、八雲には連絡しなきゃ……」



きっと、今も心配してる。

だから、せめてあたしが八雲に出来ることってなんだろう。


『なんだよ、そんな驚くこと?俺ら、付き合ってるんだし、フツーだろ?』

デートに誘ってくれた時の言葉。

八雲のいう普通が、あたしにとっては特別だった。


少しでも普通の恋人らしくいられるように……。



『それよりさ、泪。今、体調良いなら、クラスに来いよ』


『俺、泪と少しでも一緒にいたいんだよ』



ふと、保健室でした八雲との会話を思い出した。

クラス……か、あの時は断ったんだよね。



でもあたし、いつも八雲のお願い叶えてあげられない。

せめて、これくらい……叶えてあげたい。


八雲のそばに少しでもいるために、あたしが怖がってばっかじゃダメなんだ。


だから、クラスに戻ろう。

それを八雲に伝えて、あたしも本当に八雲が好きなんだって伝えたい。


そう決めて、あたしは発信ボタンを押した。



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