おはよう、きみが好きです
すると、ワンコールで八雲は電話に出てくれた。
『もしもし、泪か!?』
「八雲、ごめ……」
『おはよう、なかなかに可愛い寝顔だったぞ』
八雲、怒ってない。
それに、こんな時まであたしに気を遣わせないようにしてくれてる。
それが……申し訳なくて胸が締め付けられた。
『部屋あげてもらったんだよ、アンタん家のお兄ちゃんにさ。でも、あんなにイケメンとは聞いてない』
「……お兄ちゃん、イケメンだった?」
見慣れてるから、自分の兄がイケメンだって分からなかった。
でも、優しいし……確かにモテるんだけど……。
って、そういうことじゃなくって。
『ヤキモチ妬くから、あんましお兄ちゃんにもくっつかないように』
「ははっ、家族なのに……?」
『家族でも男はみんな変態なんだよ、分かったか?』
「うん、頑張る……」
まったく、八雲は……。
あたしのこと、どれだけ好きなの。
どうして、そこまでして大切にしてくれるんだろう。
好きだから、あたしをこんなに守ってくれるの?