おはよう、きみが好きです



「あのね、八雲……」


『ん?』


だからせめて、あたしが八雲に出来ることから始めようと思うんだ。


「あたし、明日からクラスで……授業、受けてみることにした」

『受けてみることにしたって……マジか!?』


耳元で叫ぶなって、八雲が言ったのに……。


「ふふっ」


『やった!すげー嬉しいっ、んじゃあさ、俺と一緒に行こうぜ。朝、迎えにいくからさ!』



今日は八雲が叫んでるじゃん。

でも、なんかその嬉しそうな声が聞けて……あたしも嬉しい。



「うんっ、あたしも嬉しい……」


『泪と一緒に授業受けて、昼休みも一緒に飯食って、放課後も一緒に帰る……幸せすぎだろ、俺!』



素直すぎて、ちょっぴり大袈裟にも聞こえる八雲の言葉。

だからかな、悩んでいたことが少しだけ馬鹿らしくなって……。



「あはは!八雲ってば、トイレまでついて来そうな勢いじゃん!」

『おーおー、ついて行きますとも』

「捕まりますよ、おまわりさんに!」

『まーた叫ぶなよ?』



またって、確か八雲に後ろから抱きつかれた時のことだ。

あたしが、道の真ん中で叫んだんだよね。

それを八雲が、あたしの口を塞いで止めた。


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