おはよう、きみが好きです



***


あたしの席は、窓側の一番後ろの空席になった。

八雲は真ん中の列で少し距離があって寂しいん、だけど……。

保健室と教室ほど離れてないから、我慢する。


ーーキーンコーンカーンコーン。

1時間目の授業が終わり、先生に礼をすると、あたしの席には何人かのクラスメートが集まってきた。



「やっと授業終わったー!神崎さん、あたしたちと話さない?」


「自己紹介してすぐ授業始まっちゃったからね」


「え、俺も神崎さんと話したい〜」


「うわっ、下心丸出しじゃん!!男子ってなんですぐ鼻の下伸ばすかな」



名前と顔が一致しない。

そんなみんなが一斉に喋るもんだから、あたしの頭は軽くパニックを起こしていた。



「え、えーとっ??」

「俺、隣の席の中野 和輝(なかの かずき)、よろしくな!」


お隣さんが、中野くんね。



「あたし、クラス委員の三枝 夕美(さえぐさ ゆうみ)よ、困ったことあったら声かけてね?」


クラス委員の、三枝さん。



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