おはよう、きみが好きです
「なぁなぁ、神崎さん!」
「え……あ、中野くん?」
突然、通路を挟んで隣の中野くんが声をかけてきた。
中野くんの方を見れば、その隣にいる紫藤くんもさわやかな笑顔でこちらに手を振っている。
「今日のウォーク・ラリー楽しみだな!」
「あ、うん、そうだね!」
そう、この2泊3日のキャンプでは、1日目ウォーク・ラリー、2日目はカレー作りや湖でカヌー、最終日は出発まで自由行動になってる。
「森の中進むとか、探検みてーで楽しそうじゃね!?」
「探検……ぷっ、確かに!」
探検なんて、なんか子供みたい。
でも、中野くんって明るくて沈んでた気持ちも嘘みたいに明るくなるんだ。
中野くんに感謝しないと……。
「和輝、やけに楽しそうだね」
「え〜、幸人がテンション低すぎなんだって!でも……」
一緒にいて、あたしも楽しい。
それは、もちろん友達としてだけど。
「俺が楽しいのは、神崎さんと話せたからかも……なんてな!」
照れくさそうに頬をポリポリとかきながら中野くんがそう言った。