おはよう、きみが好きです
「だって、拒絶しなかったのは八雲じゃん」
「それは、アンタが……」
「神崎さんの必死に隠してる秘密をバラさない代わりに10秒ジッとしててってお願いのこと?」
お願いじゃなくて、脅迫だったけどな。
その隙にキスされた所を泪に見られた。
「泪の何を知ってんだよ、橋本」
泪は、何かを必死に隠してる。
それに気づいてたけど、泪が話してくれるのを待つつもりだった。
でも、橋本がそれを知ってるとなると話は別だ。
こいつの口が軽ければ一瞬にして広まる。
内容を知らないことには、守りようもねーし。
言う通りにするしか無かったんだよ……。
「あたしね、この前保健室に行く途中で聞いちゃったんだよね、神崎さんと保住先生が話してるの」
「もったいぶるな、早く話せって」
俺はイライラしながら急かす。
早く戻って、泪に謝らなきゃなんねーのに、橋本と話してる時間がもどかしい。