おはよう、きみが好きです



「ねぇ泪……そんなに、普通であることが大事なの」

「え……?」



環奈の言葉の意味がわからない。

普通であること、それは大事なこと。

そうすれば、みんなから変な目で見られることもなかったから。

だけど、あたしが普通の人だったら……みんなと友達にはなってなかったかもしれない。

そう思うと、それが本当に大事だったのかも、分からなくなって……。


なんて返事しようか、言葉を探した。


「環奈のこのぶりっ子も、泪の過眠症のことも、個性だと思うけどなぁ」

「こ、個性……?」


環奈は……この病気が、あたしの個性だって言うの?

不思議なことを、言うんだな。



「ぶりっ子って、自分で言ったわね環奈。でも……環奈の言う通りよ、泪」


夕美まで、同じ意見だと言う。

でもあたし、そんな簡単に個性だなんて言えない。

こんな個性、欲しくなかったよ……。



「ぶりっ子じゃない環奈なんて、気持ち悪いじゃない?」

「ちょっとぉー!気持ち悪いとか酷くない!?そういうなら、地味で脳内までコンクリートみたいに硬い、クラス委員長じゃない夕美もキモイけどね!」

「はいはい、つまりはこういうことよ、泪」



ぶりっ子じゃない環奈、委員長じゃない夕美。

確かに、そうじゃないふたりなんて想像出来ないや。


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