おはよう、きみが好きです


「いいじゃん、人より眠っちゃうくらい!」

「え、えぇっ……?」



環奈の言葉に拍子抜けする。

そんな簡単に、いいじゃないって……。



「あたしもいいと思うわよ、むしろ死ぬような病気じゃなくて良かったって、安心したわ」

「ゆ、夕美まで……」

「あたしたちにとって……ううん、難波くんにとっても、重要なのは泪が一緒にいてくれるってことだけよ」



あたしが、一緒にいることが……重要。

みんなにとっても、八雲にとっても?

たった、それだけでいいって言うの……みんなは。



「なんか……今まで悩んでだのがバカみたい。あたし、ひとりだったからどんどん悪い方に考えてて……」



ふたりに話してたら、あたしの悩みなんて……ちっぽけだって思えてきた。

だって、ここにいるふたりも、紫藤くんも中野くんも。

そして……あたしの好きになった八雲も。

あたしがどんな人間でも、こんなふうに受け入れてくれるんだって、分かったから。



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