おはよう、きみが好きです



「とにかく、橋本さんに呼び出されたあたりから話せば?」


そんな時に、幸人が助け船を出してくれる。


「そういえば、橋本さんとどーなったんだよ?その後からだよな、神崎さんと八雲が変な空気になったの」



あの後、教室に帰ってくると、泪は俺と目も合わせてくれなくて……。

当たり前だって話だけど、それが結構堪えた。

いつも、まっすぐに俺を見つめて笑ってくれたのにって……。

もうあの笑顔が見られないんだと思うと、辛かったんだ。

怒ってもいいから、俺を見て欲しいって思ったくらいに。



「あぁ……あの日は……」


俺は、あの日あったことと、保健室での泪との出来事もかいつまんで話した。

もちろん、泪の病気のことは秘密にして。


「そんな事があったのか……。つか、ちゃんと誤解解けたんだろ?なのにどうして神崎さんは八雲から逃げたんだ?」


「それは……」



ふたりには、泪の秘密としか言ってない。

だから、なんて説明したらいいのか分かんねぇ。



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