おはよう、きみが好きです
「知られたくない秘密もあるってことでしょ。それが神崎さんにとって触れられたくないものならなおさら」
幸人には、俺の言いたいことが分かったみたいだ。
的確に気持ちを汲み取って、言葉にしてくれる。
感情的な俺とは違う、理論的な幸人らしいと思った。
正反対な俺達だけど、だからこそ俺は幸人と親友なんだろうな。
「そういう難しいこと、俺には分かんねーけどさ。八雲は、それでも守るって決めたんだろ?」
「おう、でも上手くいかないもんだよなぁ。俺、全力で逃げられてるし……」
ノート取ったり、ふらついてる所を体支えたり……。
やれることは、やってきたけど、結局それしか出来ねーんだって、落ち込んだ。
それが、泪の役に立ってるのかも怪しいし。
むしろ、近づくなって思われてたらって不安になる。
「さっきから聞いてれば……ジメジメしてんなよな!!」
ガタンッと立ち上がった和樹が、バンッと俺の机に両手をついた。
その勢いに圧倒されて、軽く仰け反る。