おはよう、きみが好きです
「後悔しないように、もっとぶつかれ!!落ち込むだけの事を、まだしてねーだろ!?」
「ぷっくく……確かに、和樹の言う通りかな。俺の言いたいこと、全部言われちゃった」
叫ぶ和樹に、幸人は吹き出した。
でも、ふたりの意見はどうやら同じみたいだ。
確かに俺、落ち込むだけのことをやってきたか?
まだ、まともに泪に向き合ってねーじゃん。
一度失った信頼を取り戻すためなら、もっと頑張んねーと。
「ったく……熱血和樹の言う通りだよ」
「熱血言うな!」
「ハハッ、サンキューな、和樹」
なんか、目が覚めた気がした。
そうだ、今の俺には落ち込んでる暇も、立ち止まってる時間も無い。
泪に向かって、全力に走っていかねーと。
距離は開いていくばかりだから。
泪は……本当は誰かにそばにいてほしいのに、誰よりも人の温もりを求めてるのに……。
そんな賑やかな場所を寂しげに見つめて、背を向けてしまう。
だから、そんな風に孤独に遠くへ行こうとするアンタに、少しでも近づくために、泪の背中を追いかけよう。