おはよう、きみが好きです



「弟って……」


まさか、結婚して泪の兄貴の弟になるって意味か?

え、マジか……マジかよ!?

カッと顔が熱くなり、拳で口元を覆った。


「やべー、やべーな」


アイツと結婚とか……照れくさすぎる。

つか、まだ高校生だぞ、俺ら。

でも、歓迎……されてるみてーでホッとした。

俺は赤くなる顔を手で仰ぎながら、ベッドで静かに寝息を立てる泪の手に自分の手を重ねた。


「……泪、俺ちゃんと目が覚めたぞ」


温かい……泪が、生きてるって証だ。

その体温に、不安が溶けていくみたいだった。

泪のこの体温さえ俺を安心させようとしてくれてるみたいで、泪の優しさを感じる。


「待たせて、悪かったな……」


たくさん泣かせて、ごめん。

空いた手で、存在を確かめるように輪郭をなぞった。



「泪がバイクに引かれそうになった時、心臓が止まるかと思ったんだぞ」


飛び出したのは、ほとんど無意識。

とにかく、泪を助けなきゃと思った。

なにを失ってもいいから、アンタだけはって……。

その一心で体が動いてたんだよな。


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