おはよう、きみが好きです


「王子様のキスは、お姫様を目覚めさせてくれるんだよな?」


真実の愛のキスが、呪いを解く鍵なら。

俺が、その呪い解いてやるよ……。


そっと、瞼から頬を伝って泪の唇へと自分の唇を寄せる。

どうか、このキスでアンタが目覚めてくれますように。



「好きだよ、アンタがたまらなく好きだ、泪……」


眠る白雪姫に、そっとキスをする。

泪が目覚めるなら、俺が代わりに呪いを受けたっていい。

そう思うほど、俺はアンタが大事なんだ。


だから、早く目覚めろ。

それで、聞いてほしいんだ、今度こそ。

俺がアンタに伝えようとしていた、想いを。


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