おはよう、きみが好きです



「つか、起きんの遅すぎだっつの!!」


「え、わぁっ!?」


ワシャワシャと、髪を掻き回される。

寝起きの女の子になんてことをするんだっ。



「や、やめろーっ」


「やだね、やめねーし!つか、女の子がやめろとか言うな」



だって、八雲がひどいことするからっ。

って、あたしは可愛い言葉とか使えないの!

あ、でも今度、環奈に女の子のモテ仕草でも教えてもらおうかな……なんて。

そ、そりゃあ好きな人には可愛いって言われたいし。



「そこは可愛く……やめて八雲っ、かっこ、ハートで……」


「キモイ!!」


「は!?彼氏に向かってキモイってなんだよ、許さん!」


「ぎゃーっ!お、重いっ」


八雲があたしの寝てるベッドに倒れてきて、そのままふたり、じゃれ合った。

それに抵抗しようとして腕を上げると、腕と肩がズキリと鈍く痛む。

そういえばあたし、全身打撲してたんだった……。



< 256 / 259 >

この作品をシェア

pagetop