おはよう、きみが好きです
「いったぁーい!」
「お、俺もズキズキ……は、腹が……っ」
ふたりしてボロボロだったのを思い出して、ぐったりする。
バイクに跳ねられたっていうのに、騒ぎすぎた。
ううっ、本当に体が痛いっ。
「ちょっ、大丈夫か、泪?」
「ううっ、痛い……けど、大丈夫」
少し体を起こして、心配そうに声をかけてきた八雲を、涙目で見上げる。
すると、至近距離で八雲と視線が重なった。
「俺らってバカだな」
「うん、超がつくバカ!」
くすくす笑って、ふたり手を重ねた。
そして、一本ずつ指を絡めては、強く握った。
もうこの手が、離れませんように。
八雲と、永遠に一緒にいられますようにって。
「ぷっ、本当に……こんなかっこ悪い俺を見せられるの、アンタだけだわ!」
破顔する八雲に、ドキンッと胸が跳ねた。
こんなふうに、翻弄されるのも……。
あたしの全てを見せられるのは、八雲だけなんだ。