おはよう、きみが好きです



「泪、俺もアンタが起きたら伝えたかったことがあんだ」

「……うん、聞かせて」


きみの言葉なら……全部聞きたい。

きみのことを、すべて知りたいから。

欲張りなんだ、きみのこととなると、余計に。



「おはよ、泪……アンタが好きだ」



あぁ、これは……。

ものすごい破壊力かもしれない。



この一言で、あたしは一瞬にして八雲に心を奪われる。

もう奪われてるのに、もっともっと強く縛られるんだ。



「っ……ふふっ……すごく、嬉しいっ」

「なに、嬉しすぎて泣く?」

「バカ、もう泣いてるしっ」



分かってるくせに……。

ハラハラと頬を伝ってる雫が、きみにも見えてるはず。

あたしの大好きな人は、意地悪だ。

でも、そんな八雲も好きだよ。

なんて、悔しいから教えてあげないけど。

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