おはよう、きみが好きです
「でも俺は、泪みたいな素朴な感じが……」
って、俺何考えてんだ??
下駄箱に少女漫画突っ込むようなヤツだぞ。
「いや……ナイナイ……」
「八雲、さっきからなぁに1人で喋ってんのぉ?話すなら環奈と話そうよぉ〜」
「おー、環奈ちゃんとなら大歓迎なんだけど、後でな」
今は、この少女漫画のことをみんなに知られるわけにはいかないからな。
声のでかい環奈をまず遠ざけるとして……。
環奈を適当にあしらって、俺は前の席に座る親友に視線を戻した。
「なぁ、雪人は泪と話したんだろ?」
「うん?うん、話したけど……なんか、可愛い子だったね。八雲の知り合いなんでしょ?」
「…………いや、直接話したことはない」
確かに、素朴で可愛かったような気もする。
ただし、一瞬で顔よく見えなかったんだよな……。
でも、話してる感じ天真爛漫!!って感じで、なんかすっげー可愛いなって思う瞬間がある。
いちいち俺の会話に毒吐いてくるのが、なんか……他の媚びてくる女と違って新鮮で、素直な反応が可愛いんだ。