おはよう、きみが好きです
「い、いないっ……っていうか、初恋は大事にしたいの!」
とりあえず、しどろもどろに答えることにする。
間違ったことは言ってないし、聞かれたから答えただけっ。
別に、それを八雲にどう思われたって……構わないはず。
『ふっ、泪って、可愛いヤツだな』
ーードキンッ!!
電撃が走るみたいに、大きな衝撃が心臓を襲う。
「は、はぁ!?」
なっ、何言ってるの八雲っ。
あたしのこと……か、可愛いって言った!?
お世辞だって分かってる、なのにドキドキが止まらないっ。
『だって、今の高校生なんて、とにかく誰でもいいから彼氏が欲しいヤツばっかじゃん。なのに、泪はこの漫画みたいな恋をしたいんだろ?』
「そ、そうだけど……悪い?」
夢見がちだって、笑われるかな。
でも、あくまでこれはあたしの理想で、八雲には関係ない。
なのに、どうして八雲からの答えが気になるんだろ。
八雲の答えに、何を期待してるんだ、あたし。