おはよう、きみが好きです



「い、いないっ……っていうか、初恋は大事にしたいの!」


とりあえず、しどろもどろに答えることにする。

間違ったことは言ってないし、聞かれたから答えただけっ。

別に、それを八雲にどう思われたって……構わないはず。



『ふっ、泪って、可愛いヤツだな』



ーードキンッ!!

電撃が走るみたいに、大きな衝撃が心臓を襲う。



「は、はぁ!?」


なっ、何言ってるの八雲っ。

あたしのこと……か、可愛いって言った!?

お世辞だって分かってる、なのにドキドキが止まらないっ。



『だって、今の高校生なんて、とにかく誰でもいいから彼氏が欲しいヤツばっかじゃん。なのに、泪はこの漫画みたいな恋をしたいんだろ?』


「そ、そうだけど……悪い?」



夢見がちだって、笑われるかな。

でも、あくまでこれはあたしの理想で、八雲には関係ない。


なのに、どうして八雲からの答えが気になるんだろ。

八雲の答えに、何を期待してるんだ、あたし。




< 46 / 259 >

この作品をシェア

pagetop