おはよう、きみが好きです
『なぁ泪、体調良いならクラス来いよ?』
「あっ……それは……」
でも、あたし……怖いんだ。
もし、もし授業の途中で眠ったら、あたしはもちろん揺さぶられても起きないし、みんなに変に思われる。
もしくは、『怠け者』『根性無し』とか、そんな言葉を浴びせられるんだ、きっと。
だって、中学生の時がそうだった。
まだ、これが病気だって分からなかった時。
朝起きられなくて学校は休みがちで、みんなからは『サボり魔』とか言われる始末。
しかも、教室で授業中に強い睡魔に襲われて、死んだように深く眠ってしまった日からは、みんなから責めるような目で見られるようになった。
それが病気だって分かった途端の安堵感は、今でも忘れない。
あたしが悪いんじゃないって、病気のせいに出来た。
それからだ、この病気は誰にも理解されないんだって気づいたのは。
だから人を遠ざけて、なるべく関わらないようにした。
最初から最後まで、この学校には存在してなかったみたいに、ひっそり卒業するしかないって。
本当は、友達も恋人も欲しかったし、普通の学校生活も送りたかったけど……。
それはあくまで、あたしが『普通』だったらの話だ。