おはよう、きみが好きです



『おぉ、その調子!んじゃ、そのまま俺に好きって言ってみろよ』

「わははー、八雲す……言うか!!八雲のバカ!!」



なに、調子のって好きとか言わせようとしてるのっ!

この、チャラ男めっ!!

何度目か分からないけど、何度でもチャラ男って言ってやる。



『おー、良いツッコミもらいましたー、俺がボケなんだろ、泪?』

「あ……」


八雲、もしかしてあたしのことを笑わせようとして……。

わざと、からかうような事言ってくれたのかな。



「そ、そうですー、八雲がボケだから!」



そんなふうに優しくされると……。

調子狂うじゃん、バカ。

でも……ありがとう、嬉しいよ八雲。



『泪、仕切り直してさ、明日こそ会おうぜ』

「あ……でも……」


本当に会える?

八雲との約束、ちゃんと守れるかな……。

考えれば考えるほど、嫌な予感しかしない。

そんな時、ふとさっきの八雲の言葉が蘇る。



『泪……俺は、何度約束して、何度破られても……同じことを言うからな』



何度約束しても、破られても……八雲はあたしを嫌わずにいてくれるって、言ってくれた。


そんな八雲の言葉を……あたし、信じたい。


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