おはよう、きみが好きです
昼休み、あたしは窓際に椅子を置いて腰掛けると、背中を預けて必死に眠い目をこする。
「寝ちゃだめ……八雲に会わなきゃ……」
必死に起きようと外の空気も入れてみたけど、すごく眠い。
こんな時に……神様はひどい。
普段ならもうおさまってもいいはずの強い眠りの期間も、あきらかに伸びてた。
「あぁ……本当に眠い……」
お願い、八雲早く来て。
あたし、君に会いたくて必死なんだ。
だって、どうしても伝えたい気持ちがあるから。
「……ふあっ……」
あぁ……やばいっ。
八雲がいつ来てもいいように、起きてようと思ったのに……。
「やく……も……ごめん……」
ごめん、あたしもう……。
開く気配の無い保健室の扉を、諦め悪く最後まで見つめて、あたしは意識を失った。