おはよう、きみが好きです

｢あぁ……やっと、やっと……っ｣


｢泪……？｣



頭を撫でてくれていた手が止まる。

あたしは、嬉しさに泣きながら微笑んで……。



｢やっと、八雲に会えたっ！｣


｢っ……はは……なんで、泣くんだよアンタは｣



すると、八雲は困ったように笑って、あたしの頬に手を添えると、額をコツンッとくっつけてきた。


だって、ずっと会いたかった人なんだもん。

仕方ないじゃん、泣きたくもなるさ。



｢言いたい事たくさんあるのにっ、あーあっ……うぅっ、全部吹っ飛んじゃった｣


｢ったく……あんまし可愛い事言ってんなよ｣


｢可愛い……とか、チャラすぎ！｣



って、本当はこんなことを言いたいんじゃなくてって……。

泣きながら、あたしは話そうと思ってたことを思い出す。


おはよう、やっと会えたね、君の声が聞きたかった。

そして、君の事が……。


｢もう、アンタにしか言わねーから｣


｢……なんで？｣



どうして、あたしだけだなんて言ってくれるの？

それは、八雲も少しはあたしのことを好きだと思ってくれてる……なんて。

そうだったら、いいな。