おはよう、きみが好きです
「本気でわかんねーの、泪」
後頭部に手を当てられて、グイッと引き寄せられる。
鼻先がぶつかりそうなほど、近すぎで八雲の輪郭がぼやけるほど近い距離で見つめあった。
分からない……だから、聞きたい。
八雲が伝えたかったこと、その意味も全て。
「教えて……ほしいな」
「っ……本当、泪は煽んのうめーよ」
余裕が無さそうな声で、八雲が顔を少しだけ傾けた。
そのすぐ後、唇に軽く柔らかい何かが触れた。
えっ……これって……。
ぼんやりしていた頭がお陰様でハッキリする。
八雲に、キスされた!?
「なっ、な……」
「ぷっ、その顔が見たかった」
唇が離れると、意地悪な笑みを浮かべてあたしの顔をマジマジと見つめる八雲に、顔が熱くなる。