おはよう、きみが好きです
「柔らかくて、綺麗な髪だな……」
電話で話してる時の破天荒さは無く、眠ってると童話の白雪姫みたいに綺麗な寝顔で眠ってる。
マジマジと見つめたのはこれが2度目。
1度目は、携帯を返しに来た時だ。
あの時も泪はスヤスヤ寝てたっけ。
声かけても、ピクリとも動かないんだもんな。
「俺が来なくて、不安にさせた?」
それとも、別に俺のこと待ってなかったり……。
いやいや、泪はそんなヤツじゃない。
きっと、誰よりも約束を大事にしてる。
あの日、守れなかった約束に泣いてたのが証拠だ。
「でも……」
嫌われてたらって不安になるのは、きっと泪が好きだからだな。
こんな風に、いつも女の相手に慣れてるような、スマートな俺じゃいられなくなる。
いや、そうじゃなくてもいいって、泪だけが俺を受け入れてくれればそれで。
それは、この恋が……。
「……本気だからだ」
泪、こんなことを言っても、信じてもらえないだろうけど。
俺にとってはアンタが……生まれて初めての、本気の恋だ。