だってわたしは先生だから。
わたしが白旗を挙げてから
数人自己紹介をして、
やっとみんなのお待ちかね
彼、の番がきた。
心なしか女の子たちが前のめりな気がする。
「高崎実です。
果実の実と書いて、みのる。
25歳。
仕事は商社務めてます。
よろしく。」
高崎さんが、最後ににこっと笑うと
女の子の目がハートになった。
たぶん、女の子全員やられた。
ほかの男性かわいそう…。
わたしと大して自己紹介は変わらないのに
こうも印象が違うのは
神さま残酷だよ〜
と思いながら、
高崎さんの方をちらっと見ると
高崎さんがじーっとこっちを見ていて
目がバチッと合ってしまった。
わたしが驚いて目をそらすと
ちょうど自己紹介の最後の1人が終わり、
運良く?運悪く?
席替えの時間になってしまった。
はじめは自由に〜ということで
みんながわらわらと移動し始める。
もちろん女の子たちは高崎さんの隣か前の
争奪戦。
そして、肝心の高崎さんは…
わあぁぁぁ、こっちくるーーー!!
わたしに向かって一直線に移動してきていた。