だってわたしは先生だから。


「な!

なに!?」




マフラーを抑えて、後ろを振り返ると

そこにはコートも着ないで


わたしのマフラーを掴んだ、

息を切らした高崎さん。




「え、高崎さん…?

どうしたんですか?」




「…俺、当麻さんのLINE聞いてなくて。」




あ、LINE…

てか、マフラー!苦しい!



高崎さんはわたしのマフラーを掴んだまま

息を落ち着けているから

苦しいのなんの。





「わ、わかりました。

とりあえず離してください。」




わたしの言葉に高崎さんは


慌てて掴んでいたマフラーを離した。





「あ…すみません…。」




手のひらで顔を覆う高崎さん。



その姿が

かわいくて、

かっこよくて

ドキドキした。



わたしのLINEなんかのために

走ってきてくれた高崎さん。




これは……?




いやいや、期待するのはやめる。


恋愛偏差値がひくすぎるわたし。

きっと期待したら痛い目みる。





でも…


「交換…しましょうか。」




LINE交換くらいなら、大丈夫。



かな。






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