だってわたしは先生だから。
駅へ走りながらマフラーを握りしめる。
意味がわからない。
意味がわからない!!
え、高崎さんってそういう人!?
それとも日本全国のみなさんって
そういうもの!?
わたしが遅れてるだけ!?
頬が火照ってあつい。
耳もあつい。
からだ全身があつい。
はじめての経験に
はじめての
キ、キス…に
心臓が壊れそうなほどバクバクして
駅に着いたころには
わたしは、真冬なのに汗をかいていた。
電車に乗って少し落ち着くと
自分の右手が痛いのに気づいた。
すごい音たててしまった……
かなり痛かったよね、高崎さん。
電車のドアの角にもたれ掛かり
ぼーっと窓の外を眺める。
あぁ…
申し訳なさと、恥ずかしさと、驚きと…
ごちゃまぜの感情。
なんであんなことしたんだろう
高崎さんー……。
人生ではじめのことすぎて
何もわからなかった。