僕はあの街が嫌いだ
スッ
と彼女は電車に乗り込んだ。
いつもより遅かったせいで彼女がいつもいるところには既に他の人が立っている。
どこに行こうかきょろきょろしているその姿が可愛くて少し、見つめてしまった。
ちょうど俺の隣が空いていて、俺の隣に来てくれたりしないかなーって思ったりなんかした。
きょろきょろ
俺の隣しか空いていないことに観念したらしい彼女は、俺のとなりにちょこんと立った。
そしておもむろに彼女はいつも通り参考書を鞄から取り出し、読み始めた。