僕はあの街が嫌いだ
私が中学3年だった頃、父の仕事の関係で引っ越すことになった。
流石に受験期だった私のために受験が終わるまで引越は待ってくれるということになった。
私は第一志望にしていた公立高校に落ちた。
不合格通知を受け取り、
『ああ、やっぱりな』
と思った自分がいた。
全然悲しくなかった。周りの子は泣いているのに私だけ何も思わなかった。
学校に行って、担任の先生に報告したとき初めて涙が出た。
終わったという安心の涙なのか、落ちて悲しいという涙なのか。
結果が出てから私は毎日毎日自分になぜそんなことを思ったのか問いただした。
そして辿り着いた1つの答えがある。
私は人より努力していないから悲しくなかった
ただそれだけの事だった。
みんなが頑張っているときに私は本気になりきれなかった。
本気で頑張って失敗したらわたしは2度と立ち直れないんじゃないかって心のどこかで思っていた。
だから、私は本気になるのを恐れ、本気にならないように逃げまわっていた。