ソウル・メイト
「熱あるな」
「はぃ?あの・・」
「怯えんでええ。そこに座ろうか」と言った先生は、私の肘を軽く掴んだまま、診察をするところまでゆっくり歩いた。

「あの、先生?私、今日も先生のお宅の掃除に来たんですけど・・・」
「どこが痛む」

・・・私が言ったことを無視された。
本当ならムッとしていいはずなのに、先生の顔を見ていたら、逆に安心してしまった私は、素直に先生の質問に答えた。

「・・・この辺が、時々・・」
「ここ?」
「い、いたぃっ!」
「ごめんな。他に痛むところはあるか?」
「いえ。ないです」
「そうか」と言った先生は、なんだかとても難しそうな顔をしているような気がする。

もしかして私は、なにか・・・病気なの?

< 102 / 128 >

この作品をシェア

pagetop