ソウル・メイト
安藤先生が、私をそっとベッドに寝かせながら、「八千代さんが眠るまで、俺たちここにいた方がいいか?」と聞いてきたので、私は顔を左右にふった。

「いえ。目が覚めたときに二人ともいなかったら、余計寂しい、いや不安になると思うから」
「そやな。じゃあ俺たち行くわ」
「またあしたね!ママ」

・・・安藤先生にみっともない姿をさらしてしまっただけじゃなく、千鶴にまで不安な想いをさせてしまった。
でも、もしこの場に先生がいなければ、私はもっと千鶴に不安な想いを抱かせてしまっただろう。
それに先生は、不格好に泣きじゃくる私を、しっかり受け止めてくれた。
たぶんそれは、私が入院中だらかもしれない。
術後間もない患者を余計不安な想いにさせることは、医者としての本分が許さないというか・・・。

< 109 / 128 >

この作品をシェア

pagetop