ソウル・メイト
翌日。
面会時間開始の11時を2・3分過ぎた頃、千鶴は安藤先生と手を繋いで、私の病室に来てくれた。

「よく眠れた?」
「意外とぐっすり眠れました」
「そぅかあ」
「ママ。これあげる」

千鶴の小さな手には、白いテルテル坊主が4つあった。

「きのう、ひげクマせんせいのおうちでつくったの。てるてるぼうずつくりたいってせんせいにいったら、せんせいもいっしょに、つくってくれたの。だから、きょうははれでしょー?」
「まぁホント。今日晴れてるのは、千鶴と先生のおかげね。ありがとう千鶴」

娘の真っ直ぐな黒髪をヨシヨシと撫でると、千鶴は嬉しそうにエへッと笑った。

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