ソウル・メイト
安藤先生のお父さんは10年前に、そしてお母さんは8年前に亡くなったそうだ。
「両親にはものすごい苦労をかけさせたとは思わんけどな、二人とも亡くなったとき、生きてる間にもっと会いに行くとか、もっと話をするとか、いろんな孝行しとけばよかった」と思っている先生は、だからなのか、私があまり動けない間、うちに来てくれた母とも、すぐに打ち解けていた。

一体安藤先生は、37の、しかも子持ちのシングルマザーである私のどこに惹かれたんだろう。
一体、私のどこに魅力を感じたんだろう・・・。

そして私は、安藤先生のどこに惹かれたんだろう。
外見だけなら、先生よりもっと細身の元夫の方がタイプ・・・のはず。
少なくとも、クマやパンダの絵が描かれているTシャツを、普段から制服として着ているような人が“タイプ”だなんて、自分でも全然思ってなかったし。
しかもその関連Tシャツを集めるのが趣味という人には・・・初めて出会ったし。
そもそも、ひげを生やしているという時点で、何となく近寄りがたい感じがするから対象外だったはず。なのに・・・。

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