ソウル・メイト
『・・・八千代。すまなかった。千鶴にも申し訳ないと思っている。
あのマンションはどうにか売った。和美とも完全に縁を切った。
甲斐性のない俺に、あっちが愛想を尽かしてくれたおかげで、俺は目が覚めた。
八千代。こんな俺だけど、もう一度やり直せないか?
俺たちには君と暮らした7年と、つき合った2年間、合わせて9年の絆がある。千鶴までいるんだ。全てをぶち壊した張本人である俺が、こんなことを言える立場じゃないことは十分承知している。だが、俺たちが築いてきた絆は、そう簡単になくなるものじゃないだろ?
頼む。君にまだ愛情が残っているなら・・・。』

―――私たち夫婦と家族の絆は、あの人自身が書いている通り、自分で壊して断ち切った。
だから今は、夫婦と家族、どちらの前にも「元」という字がつくんだ。
そしてあの人に対する愛は、私にはもう残っていない。
情なら少しくらいは残っているかもしれないけど。

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