ソウル・メイト
「あっちの家に置いてた千鶴の着替えとか靴とか、残りのもの全部、入ってる」
「あ・・・ありがと。あの・・このマンションのことだけど」
「何だ」
「私たち、ここを出ます。千鶴と二人で住むには広すぎるし。あなたがローンを払っていくなら、あなたと和美さんがこっちに移り住めばいいじゃない。あの人、ここに住みたいって言ってたし。今後、あなたたちの間に子どもができることを考えれば、こっちに住むほうがいいんじゃない?ただ、今すぐにとはいかないんだけど。引っ越し先、まだ決めてないから・・・2ヶ月待ってくれる?」
「おまえはそれでいいのか」
「ええ。私は、このマンションより、千鶴が欲しかった。どんな家に住むかより、あの子と一緒に暮らすことの方が大事だって・・・あの子と離れ離れになっている間に、やっと分かったの。だから、千鶴を返してくれて、本当に・・・ありがとう」

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