ソウル・メイト
マンション暮らしとお金欲しさに、私たちの娘を利用するような女の一体どこに、あの人は惹かれたのだろう。
別れて2年経った今も、いまだに分からない。
たぶん私は、それよりもっと前から、あの人のことが理解できなくなっていたのだろう。
あの人が私のことを理解できなくなっていたように。
だからもう、分からないことを考えるのはやめよう。

私は狭い家の戸締りを確認してスニーカーを履き、仕事へ出かけた。

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