ソウル・メイト
「あ。そうだ。あの・・安藤先生」
「はい?」
「その手じゃお料理できないんじゃないんですか?私、何か作って持ってきます」
「え。いいんですか」と聞く安藤先生に、私は頷いて応えた。
「この後もう1軒仕事が入ってるので、夕方になりますけど」と私は言いながら、いつになく胸がドキドキと高鳴っているのを感じていた。
私はお客さんに、こんな“サービス”をしたことなんてない。
だって、お客さんには現場で会ったことがないから。
でも・・手を怪我している安藤先生に会ってしまった以上、なぜこの人が家事代行サービスを頼んだのか分かったし、改めて先生の手に巻かれた包帯を見ていたら、きっと料理はできていないだろうなと確信できたし。
それに、なぜか気になって・・放っておけない。
私にできることなら何かしてあげたいという気持ちに駆り立てられていた。
「じゃ、おねがいします」
「はぃ」
ちょうど、診察室のドアが開いて、次の患者の子どもと、子どもの母親と思われる付き添いの女性が入ってきたのを機に、私は先生に頭を下げて一礼すると、そそくさと診察室から出た。
「はい?」
「その手じゃお料理できないんじゃないんですか?私、何か作って持ってきます」
「え。いいんですか」と聞く安藤先生に、私は頷いて応えた。
「この後もう1軒仕事が入ってるので、夕方になりますけど」と私は言いながら、いつになく胸がドキドキと高鳴っているのを感じていた。
私はお客さんに、こんな“サービス”をしたことなんてない。
だって、お客さんには現場で会ったことがないから。
でも・・手を怪我している安藤先生に会ってしまった以上、なぜこの人が家事代行サービスを頼んだのか分かったし、改めて先生の手に巻かれた包帯を見ていたら、きっと料理はできていないだろうなと確信できたし。
それに、なぜか気になって・・放っておけない。
私にできることなら何かしてあげたいという気持ちに駆り立てられていた。
「じゃ、おねがいします」
「はぃ」
ちょうど、診察室のドアが開いて、次の患者の子どもと、子どもの母親と思われる付き添いの女性が入ってきたのを機に、私は先生に頭を下げて一礼すると、そそくさと診察室から出た。