ソウル・メイト
千鶴が指さした先を見ると、確かに堀江さん一家がいた。
千鶴を見つけたアキちゃんは、笑顔で手をふっている。

「堀江さんと知り合いですか」
「はい。奥さんと職場が一緒なんです」
「あぁそうですか。堀江さんたちも今日来てるんですよ」
「そうでしたか」
「ねぇママぁ。あきちゃんのところにいってもいーい?」
「うん。いいよ」
「わーい!」と言いながら駆けだした千鶴の後姿を見て、私の顔が自然と綻んだ。

どのみち私たちも、行き先は千鶴と同じだ。
千鶴とは対照的に、私たちはこの陽気を味わうよう、ゆっくりしたテンポで歩いていると、不意に安藤先生が「ご主人とは離婚?」と聞いてきた。

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