ソウル・メイト

「え？」
「それとも死別した？」
「・・・離婚しました。２年前に」
「あぁそう。元旦那とは今も連絡取り合ってるの」
「いえ。全然。私たちが名古屋に引っ越したことは知ってるけど、どこに住んでるかまでは知らないと思いますけど・・・」

なんでそんなことを聞くんだろうという意味を込めて、安藤先生のひげ顔を見上げると、先生も私を見ていた。

「いやっ。なんかな、これは知っといた方がええ思うてな。大事なことやろ？」と、弁解するような口調で必死に言う安藤先生を見ていたら、笑いが込み上げてきた。

「怒ってない？」
「怒ってないですよ」
「あーよかったぁ」

今の質問が「大事なこと」かどうか、私には分からないけど、先生の声と口調を聞いていると、なぜか安心する。