ソウル・メイト
その後、フランスに渡った安藤先生は、「国境なき医師団」に所属。
小児科医として、フランスを拠点に、アフリカ・アジアの数か国へ赴いた。

「いろんな国の厳しい現状を目の当たりにしたおかげで、俺が目指す医者本来の姿に戻ることができたと思う」
「それは?」
「救える命を救うことが、医者の仕事だということ。俺は、救える命を救うために、医者になったんやて、改めて思い出した。そう言った意味でも、“国境”ではホンマに貴重な経験をさせてもらった」

「国境なき医師団」で2年活動した後、日本に帰国した安藤先生は、今住んでいる名古屋で「安藤小児科」を開業した。
それが5年前のことだ。

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