ソウル・メイト
「今の“安藤小児科”がある所で、元々小児科の診療所を開いていた医者が、高齢のために引退すると決めて、後任を探しているという話を聞いたんだ。その医者っていうのが、俺も知ってて尊敬している小児科医やったことと、先生の方からもよろしく頼むと言われてな。名古屋で暮らすのは初めてやったけど、行くことに決めた。乙部看護師と大川薬剤師は、その時からいたベテランさんや。二人とも腕は確かやし、患者さんのことも把握できてる。信頼できる人たちや。できれば医療事務やってた人も引き続きお願いしたかったんやけど、旦那さんの転勤で名古屋を離れることになってなぁ。それだけが残念や」
「そうですか」
「そうですか」