マ王の花嫁 
そうして、どうにか肖像画のモデルを終えた私は、ライオネル王と一緒にクレイン家の肖像画がある一角に来ていた。

「わぁ・・・!」

何十メートルはあろうかという長い廊下の、右側の壁一面には、ロドムーン王国の王家であるクレイン家の肖像画が、ずらりと並び掛けられている。

「それは先代王であり、俺の父上でもある、レオナルドだ」
「あ・・ライオネル様のお顔立ちは、レオナルド様に似ていますね」
「そうだな。体格共々似ていると、よく言われたものだ」

ライオネル王の低い声と、私たちの靴音が、周囲に静かに響き渡る。

「この赤ん坊は俺だ」
「まぁ!なんて愛らしい・・・こんな小さな赤ちゃんが、ここまで大きくなるなんて」

あ。しまった!また失言を・・・!
と思ったけれど、ライオネル王は不機嫌になるどころか、また心の底から面白いと言った風に笑っているので、私はひとまず安堵した。

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