マ王の花嫁 
「おまえに一つ、助言をしてやろう」
「な、なん・・・」

私の方へグッと身を乗り出したライオネル王に怯むまいと、その場に踏み留まったものの、私の両眼は恐怖で大きく見開かれ、体は小刻みに震えているのが、自分でも分かる。

あぁ、私は・・・王から「助言」を聞いた後、ここで殺されるんだ・・・!

「おまえには王妃としての資質や気品が十分あるが、おまえは他人になりきれていない上に殺気が足りん。と言うより皆無だ。おまえより・・サーシャと言ったか?ラワーレからついて来た侍女。本当にあの女が“侍女”なのかは非常に怪しいが。とにかく、おまえよりもサーシャから殺気を感じるくらいだからな。そんな事ではこの俺を殺すことなどできんぞ」

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