マ王の花嫁 
意を決した私は、椅子から立ち上がると、ライオネル王との続き部屋になっているドアの前に立った。
そして、ゴクンと唾を飲み、ドアノブを・・・回した。

けど、ドアが開かない。

「あれ・・・?あ」

『今夜はまだすることがある。おまえは先に寝てろ』

夕食時、ライオネル王からそう言われたことを思い出した。

あれは今夜、この部屋で・・・私ひとりで寝ろ、という意味だったのか。

ライオネル王を殺さなくて済む・・いや、それ以前に、王から殺されなくて済むんだとホッとした反面、なぜか自室でひとりで寝ることに、寂しさを感じて。

私のみぞおちが、ズキンと疼いた。

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