マ王の花嫁 
「気になるか?マイ・ディア」
「べっ、べつにっ!」

ライオネル王は、ニンマリとした顔を私に近づけると、「そうか」と言った。
余裕綽々な王の態度と、私が思っていることを易々と読まれている事が、とても癪だ。

「それに、誰かに殺られるかもと思うと、心配で寝ることもできん、という状態でもないしな」
「そ・・れは・・良かったです、ね」

私はつっかえながらもそう口に出して言いながら、「それは私の事を言っているのですか?」と、ライオネル王に目で問いていた。

その想いが通じたのか。
ライオネル王は、真剣な面持ちで、私の目をしかと見た。

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