マ王の花嫁 
「そう言えば。メディカルアカデミーとは何ですか?初めて聞く言葉ですが・・」
「薬草の効能や知識、及び医療技術を学ぶ学校です」
「学校?ですか」
「はい。ライオネル王の母君であったバーバラ様は、10年前、毒薬を盛られて亡くなりました」
「まぁ。そうだったんですか・・」
「あの頃、この辺りはまだ、戦乱に満ちていましたから。それを機に、ライオネルは、アカデミーを開校することに決めました。ほとんどの国では、術師と呼ばれる者から学ぶことが一般的、と言うより、それが唯一学べる方法です。だがそれだと、術師の流派によって偏りが生じる上、師(術師)弟(術者)間という閉鎖的な環境で、知識を得ることになる。ライオネルはその壁に風穴を開けて、オープンにしたかったわけです」
「術師にもよりますけど、弟子である術者を、あまりたくさん取りませんよね」

そこから閉鎖的な世界ができ、薬草についての知識が広がるのは、結局その中でだけ。
だからこそ術師は重宝されるのだけど・・・危険な存在だとも言えなくはない。

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