マ王の花嫁 
「そういう理由で、ベルリへ行く人は限られていますからね。僕もベルリへ行ったことは一度もありませんし。当然ながら、へメル山をこの目で実際に見たこともありません。へメル山は、世界最北端の国・ベルリにある、世界最高峰の山です。その高さは8888メートル。常に雪に覆われたへメル山は、天空に一番近い場所と言われ、そこから別名“聖なる山”とも呼ばれているんですよ」

とても分かりやすく説明してくれるエイリークを、私は感嘆の眼差しで見ながら頷いた。

「ベリア族は皆、雪のように白い肌で、プラチナブロンドの髪を持ち、そして碧い色の瞳をしています。この組み合わせはベリア族特有のものであり、言い換えれば、他の種族にはない組み合わせで・・・これでよし、と。では王妃様、行きましょうか」
「はい?どこへ」
「この作業が終わり次第、王妃様を執務室へお連れするようにと、ライオネルから言われておりまして」
「あ・・そうですか」

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