マ王の花嫁 
「あぁなるほどー。では王妃様は、純粋なベリア族ではなく、御母様がベリア族だったんですね」
「え?あ・・・あぁ、そう、ですね、えぇ」

ラワーレのアナベラ王妃は、私の母同様、すでにお亡くなりになっているから・・・ここは肯定しても大丈夫だろう。

「ベリア族はとてもユニークな種族でしてね。たとえ2種かそれ以上の混血族であっても、能力がある場合は、ベリアの特徴的な、プラチナブロンドと碧眼という外見が現れるんですよ」
「能力?」
「はい。昔からベリアの者は、第6感―――いわゆる霊視力や霊聴力、感知力と呼ばれるものです―――が他族よりも優れていると言われています。ベルリ以外で生まれ育った者も例外ではありません。故にその能力を使って、シャーマンやヒーラー、そして僕のように占術師となって、その地域に貢献している者は、ベリア族がほとんどです。因みに僕の父・アルタイルと母・オリヒメはヒーラーです。妹のヴィーナは感知力に優れ、且つ念話ができるんですよ」
「まぁ。そうなの」
「王妃様も何か能力をお持ちなのでは?」
「えっ!?私が?ないですよ、ないないっ」
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